DIY GPSで山と高原地図活用術



山と高原地図があると、登山はもっと楽しくなる。

今回は、山と高原地図を取り込む方法、ルート案内を取り込む方法をご説明します。
そして次の後編では実際にトレッキングに行き、現場の使用例もご紹介します。


山と高原地図48 六甲・摩耶(2011)の地図。DIY GPSに取り込んでみましょう。

左の状態から地図を縮小したもの。神戸の低山と言えども登山道は非常に複雑。



取り込む地図はあなた次第

山と高原地図以外にも、縮尺さえ正確であれば地図として活用できます。
トレッキング関係ではありませんが、下記のような使い方もできます。


Googleマップにコメントを書き加えた地図。観光に持ってると便利な地図。

海に出れば海底地形図(海図)として使えます。船釣りのポイント管理にも最適。



山と高原地図をDIY GPSに取り込む方法


1.地図をスキャンする

紙の地図をスキャナでスキャンしてPCに扱えるデジタルデータ、画像に変換します。
プリンター複合機であれば、プリンターからもスキャンできます。
この際、垂直水平を意識してスキャンする必要はありません。

注意しなければならない点は地図の範囲を含めること、ピンボケしないようにスキャンすることです。
長距離を移動する地図になると、スキャン1回分には納まらない為、あとで画像合成する必要があります。
合成はWindows付属のソフト「ペイント」でも切り貼りできますが「GIMP」を使った方が良いです。


山と高原地図は大きな書店に置いてあります。定価945円(税込)です。

地図は押さえつけてスキャンすると綺麗にスキャンできます。




2.スキャンした地図を修正する(省略可)

スキャンした地図は斜めに傾いていますので、北が真上にになるように垂直水平を取ったりDIY GPSで正しく表示される地図(図法)に変形します。
以下の手順は地図が多少ズレていても構わないという場合は省略可能です。


スキャンした地図をGIMPで表示しています。少し右下に向かって傾いています。

地図はランベルト正角円錐図法と呼ばれる図法で描かれている為歪んでいます(イメージ図)。




ツール→変換ツール→遠近法を呼び出し、変換方向を正変換から「逆変換」に変えます。

四角マーカーを地図の経度緯度の交点に合わせ、他の四隅も同様に合わせます。





地図の垂直水平が取れました。お好みで地図の明るさ変えて保存します。


これにより地図はメルカトル図法と呼ばれる経度緯度が直角の地図になりました(イメージ図)。





3.カシミール3Dに地図を取り込む

地図を画像にした後は、カシミール3Dで地図と経度緯度のマッチング化を行います。
カシミール3Dは等高線入りの地図を始め、山旅倶楽部のオンライン地図もマップカッターで出力でき、DIY GPSには必需品と言えるソフトです。


カシミール3Dを開き地図の範囲に移動します。右ペイン(右の縦メニュー)の各種情報表示から「経線緯線」ボタンをクリックします。

表示しない→「表示する」に変更し、間隔の簡単設定から「30秒間隔」ボタンをクリックしてOKボタンをクリックします。




ここでスキャンした地図を見返して、「左上」の頂点がどこにあるか確認します。


カシミール3Dに戻り、確認した左端頂点の付近にある赤線交点を右クリック→新規作成→ウエイポイント作成をクリックします。




名前は「六甲山 左上」と分かり易い名前を入れOKボタンをクリックします。


同様に近くにある右下の交点も「六甲山 右下」とウエイポイント登録しておきます。




ファイル→地図を開くをクリックし、ダイアログの「新しい地図を開く」をクリック。参照からスキャンした地図を選びます。

暫くするとダイアログが出ますが地図のタイトルに「六甲山 山と高原地図」と分かり易い名前を入れ「作成」ボタンをクリックします。






4.カシミール3Dに取り込んだ地図のキャリブレーションをする

キャリブレーションは、地図の精度を大幅に向上させる処理なので必ず行いましょう。
このキャリブレーション操作を繰り返したり、対角線上の遠い地点をキャリブレーションすると、取り込みによる誤差をほぼゼロにすることが可能です。


編集→「地図のキャリブレーション」をクリックします。


位置1の「指定開始」ボタンをクリックした後、「地図にクリックせずに」参照をクリックします。




検索ボックスに、前回ウエイポイント作成した「六甲山 左上」と入力し検索します。一覧に出たウエイポイントをダブルクリック。

同様に位置2の指定開始ボタンをクリックした後「地図上の経度緯度交点」をクリックし、同様の手順で今度は「六甲山 右下」を選びます。




位置1と位置2の経度緯度が入力されたら「実行」ボタンをクリックしキャリブレーションを行います。


カシミール3Dの経度緯度と、スキャンした地図の経度緯度の交点が同じ方向に重なっており極めて正確な地図が出来上がりました。






5.カシミール3Dのマップカッターで地図を切り出す

カシミール3DでKMZファイルを出力します。
DIY GPSはこの形式の地図を読み込むことで、経度緯度入力の手間を大幅に省くことができます。
同時に人的作業によるミスも防ぐ効果があります。

マップカッターで切り出す地図にはカシミール3D上に表示してある山名やウエイポイントがそのまま出力される為、必要に応じて非表示にしておきます。


編集→「選択範囲を決める」をクリックします。必要な部分をドラッグ&ドロップで選択します

ツール→マップカッター→「切り出し」をクリックします。





出力形式は「GARMIN/Google KMZ形式」を選択しファイル名は「六甲山 山と高原地図」と分かり易い名前を入れます。ファイル種類のJPEG品質を80→「100」にしてOKボタンをクリックします。

i-FunBoxというファイラーでiPod touch(iPhone)にKMZファイルを転送します。メールにKMZファイルを添付しても良いです。







自動ルート案内を作る方法


山旅倶楽部の地図で作成すると作業が楽

山旅倶楽部のオンライン地図からルート案内を作成すると、自動で標高情報が入ります。
また山と高原地図上からルート案内を作って、あとから標高を入力し直すこともできます。


一番目の目的地の上で右クリック→新規作成→「ルート(Route)作成」をクリックします。

次の目的地の上でクリック、この手順を繰り返しルートを完成させます。





ルートのピンの上で右クリック→ルートの操作→「ファイルへ書き出し」をクリックします。

ファイル名は分かり易い名前を付けて保存。KMZファイルと同様iPod touchに転送します。







ヤマレコのGPSログを取り込む方法


ヤマレコのサイトからGPSログをダウンロードできる

ヤマレコに投稿されている山のGPSログは人が歩いた確実な道しるべです。
これを使わない手はありません。
ヤマレコ以外にもGPXファイルのGPSログが用意できれば、DIY GPSに取り込むことがができます。


ヤマレコのホームページ。右上の検索ボックスから山を検索します。



目ぼしい山行記録が見つかったら「GPX」からGPSログをダウンロードします。KMZファイルと同様iPod touchに転送します。







iPod touchに地図、GPSログ、ルート案内を取り込む方法


ファイルを開くだけ

DIY GPSは標準でKMZファイル(地図)と、GPXファイル(GPSログやルート案内)のインポートに対応してあるので、ファイルを開いて保存完了のOKをタップするだけです。


iFileというファイラーアプリ。転送したKMZとGPXファイルを開きます。


インポートできた地図とGPSログを表示させ地図にズレがないことを確認します。